その年の医療費が多くかかった方は、所得税の確定申告の際に医療費控除を受けている事があると思います。
これに対して、「セルフメディケーション税制」とは、日頃から自己管理をしている方が、特定の市販薬を購入した時に、所得控除の特例を受けられるという、医療費控除の特例の制度といえるものです。
これは、ちょっとした体調不良を市販の薬でセルフケアして、生活の質を向上させて、その先に国の財政圧迫の一つとなっている医療費の適正化を達成するという目的があるのです。
今までの医療費控除は、年間医療費が10万円(総所得が200万円未満の方はその5%)のため、風邪などの症状であれば市販薬で済ませる方にはハードルが高かったです。
それが、今回の「セルフメディケーション税制」では、対象となる医薬品の合計が年間12,000円を超えれば適用されるのです。
加えて、所得税の確定申告をするご本人だけでなく、生計を一にする配偶者や家族の分も合算できるので、領収書等を保管して一定要件を満たしていれば、適用を受ける事が出来ます。
そこで、どのようなものが「セルフメディケーション税制」の対象となる医薬品なのでしょうか。
これは、
「スイッチOTC医薬品」という、医療用から市販に転用された成分を含む医薬品です。
これには、平成29年11月16日現在は、1,667品目あるといわれ、
風邪薬・胃腸薬・腰痛の湿布薬などがこれにあたります。
ちなみに、どのようなものが「スイッチOTC医薬品」に該当するのかは、下記厚生労働省のホームページなどで確認できます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
ところで、この「スイッチOTC医薬品」は、薬を買った時点で対象でなくても、その後に厚生労働省が追加すれば、「セルフメディケーション税制」の対象となります。
そのため、今の段階では「スイッチOTC医薬品」に該当しなくても、買った時の領収書は確定申告まで取っておいた方が良いと思います。
そして、領収書があれば、購入した薬局などで再発行や必要事項の追記を依頼する事ができます。
この制度の適用を受けるには一定の要件がありますが、所得税の負担を減らす事が出来ますので、是非ご活用されてみてはいかがでしょうか。