役員や従業員に対して給与を支払う時、弁護士や税理士等のいわゆる士業に対して報酬を支払う際に、
「源泉所得税」
が控除されます。
この控除の事を
「源泉徴収」
と言いますが、
「具体的にどのような制度なのか」
「なぜ、源泉徴収をするのか」
というご質問を受ける事があります。
そこで、今回は、この
「源泉徴収」
についてご説明いたします。
そもそも、源泉徴収をするというのは、法律で定められています。
そして、どのようなケースで源泉徴収が必要になるかというと、
会社や個人が、従業員を採用して給与を支払ったり、税理士や弁護士等の士業に報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度、支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引くことになっています。
ところで、この差し引いた所得税及び復興特別所得税はどうなるのでしょうか。
それは、原則として、給与や報酬などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。
なお、国に納税するといっても、多くの納税者は、金融機関や電子納税を活用して納税しています。
そして、この所得税及び復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を
「源泉徴収義務者」
と呼んでいます。
ここで注意点ですが、源泉徴収義務者は、会社や個人だけが該当するという事ではありません。
給与などの支払をする学校や官公庁、人格のない社団・財団なども原則として源泉徴収義務者になります。
ところで、源泉徴収に関しては、
「源泉徴収するのはどのタイミングでしょうか」
というお問い合わせを受ける事があります。
この源泉徴収をする時期は、原則として、
「実際に源泉徴収の対象となる所得を支払う時」
です。
つまり、これらの所得を支払うことが確定していても、現実に支払われなければ源泉徴収をする必要はないのです。
なお、 配当等について支払の確定した日から1年を経過した日までにその支払がない場合等は、所定の時期に源泉徴収する事となっています。
このように、源泉徴収制度の概要と源泉徴収をする時期等は、法律により決まっています。
原則的な取扱いと例外的な取扱いが定められている場合がありますので、不明点等がありましたら、所轄の税務署又は弊所までお問い合わせ下さい。
源泉徴収については、次回以降も同じテーマでお知らせする予定ですので、是非ご覧下さい。