
毎年10月頃になると、会社様におかれましては、年末調整の対応が始まりますが、年末調整の際によくお問い合わせのある内容のうちの一つに、
「会社員やパート・アルバイト等で給与所得がある人は、年末調整をしていれば、確定申告はしなくても大丈夫ですか?」
というものがあります。
年末に会社に所定の書類を提出しておけば年末調整をしてくれるので、確定申告は不要と考える方がいらっしゃいますが、実は、一部の給与所得者の方については、現行法令上、確定申告をしなければならない場合があります。
通常であれば、社員やアルバイト・パートの方に対しては、勤務先で年末調整が行われ、これによって、その年の毎月において源泉徴収された所得税及び復興特別所得税は精算されますので、多くの人は確定申告をする必要はありません。
ところが、一定の方につき、現行法令では、下記要件のいずれかに当てはまる場合には、確定申告をしなければならないケースにあたりますので、ご注意下さい。
1、その年の給与収入が2,000万円を超える方
2、1か所から給与を受け、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、給与所得及び退職所得以外の一定の所得金額(地代や家賃など)の合計額が20万円を超える方
3、2か所以上の勤務先から給与の支払を受け、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、年末調整を受けた主たる給与以外の従たる給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の一定の所得金額との合計額が20万円を超える方
なお、2か所以上から給与を受ける給与所得者であっても、その給与収入の一定の合計額が150万円以下の方で、加えて、給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円以下の一定の人は、確定申告をする必要はありません。
4、その他、所定の要件に該当する方
これらの要件等に該当する方は、確定申告期限までに確定申告書を所轄の税務署長に提出しなければなりません。
(還付申告の場合には、別途申告期間が設けられています。)
このように、社員やパート・アルバイト等の給与所得のある方でも、確定申告をしなければならない場合がありますので、事前のご確認をお願い致します。
なお、このご案内は、法律の内容を平易に分かり易くお伝えしているため、概要等につき簡略的な説明となっている部分もありますので、実際の個々のご確認並びに計算にあたりましては、弊所では一切責任を負いませんので、詳細は、税理士等の専門家又は税務署等にご確認をお願い致します。