決算申告の時期が近づくと、
「今期はどれくらいの納税資金が必要なのか」
と気になってきます。
毎月の月次決算でもおおよその納税見込は分かりますが、決算申告が迫ってくると、実際にお金がどれくらい出て行ってしまうのかを把握する事は、資金計画上大切です。
当初予測を大幅に上回る納税資金を払う事となってしまった場合にはどうなるのでしょうか。
来年度中に予定していた設備投資計画を下方修正しないといけないかもしれません。
来期の採用計画を見直して、人件費を縮小しなければならないかもしれません。
合法的に納税資金を1円でも少なくすることは経営者の必須課題です。
そのために、日々節税できるような事がないか考えている経営者の方もいらっしゃるかもしれませんが、
そこで、少ない金額の経費もきちんと集計しているか確認されてはいかがでしょうか。
ある程度の組織になってくると、毎月の一人一人の経費管理をきちんとしていて、経費の集計が漏れる事は少ないですが、小規模の会社や、おひとりで会社を運営されていらっしゃる場合には、なかなか経理まで手が回らないのが現状です。
そして、日々の経費データ集計をする時間もなく、週に1回または月に1回、場合によっては、年に1回の集計となるケースがあるかもしれません。
日々の資金繰りさえ問題がなく、決算申告の時になんとかすれば良いという事もあり、そして、
「来客用の飲物をコンビニで買って領収書をもらったけど、いつも経費で落としているけど、入力の手間もかかって金額も少額だから集計するのをやめよう」
という事がもしあったらどうなるでしょうか。
本来は経費として計上できるのにしないという事は、その分だけ利益が出てしまうという事です。
「300円くらいだから集計しなくてもいいよ」
と思っていたらどうなるでしょうか。
来客用の飲物代が毎営業日に300円かかっていたとした場合、年間200日の出費があれば、
300円×200日=60,000円
年間60,000円の経費が計上されなかったことになります。
もちろん、そんなケースはないと思いますが、少額の経費を計上しないという事にしてしまうと、会社の損益を正確に把握する事が出来ず、計上しなかった分の利益60,000円が増えてしまうのです。
60,000円分の経費に対する節税効果ですが、
法人の利益に対してかかる税率を25%くらいだとすると、
60,000円×25%=15,000円
15,000円もの税金を減らす事ができるのです。
15,000円があれば、その分会社の資金として有効活用する事が出来るのです。
経費集計する手間を考えてといっても、1取引分の集計をするのにはそんなに時間がかからないはずです。
その手間を惜しんだりしてしまうと、払わなくても良い税金を払わなければならないのです。
何事も日々の積み重ねです。
少しでも節税に繋がるよう、漏れのない日々の経費集計をするようにしましょう。