ここ数年はダブルワークや副業解禁の動きなどにより、働き方の多様化が広がり、多くの方が副業や兼業などをしているケースがあります。
例えば、会社員の方であれば、勤務先で今まで通り働きながら、投資で収入を得ている場合や、事業を始めて収入を得ている場合もあります。
複数の収入があるという事にはメリットもありますので、今後もこのようなスタンスで働かれる方もより増えてくると思いますが、そのうちの働き方の一つとして、
複数の勤務先で働いて収入として、複数の勤務先から給与収入がある場合には、各々の勤務先はどのように源泉徴収をするのでしょうか。
そこで、今回は、2か所以上の勤務先から給与収入のある方は、どのように源泉徴収をするのかという事についてご案内いたします。
源泉徴収をするにあたってのポイントは、
対象となる方に支払う給与が、
「主たる給与」に該当するのか、
「従たる給与」に該当するのか
を確認する
という事です。
ところで、この「主たる給与」とは、どのようなものでしょうか。
それは、
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与の事です。
通常は、入社時に、会社への提出書類としてリストアップされています。
ちなみに、平成31年分の給与所得者の扶養控除等申告書は、下記URLに掲載されています。
http://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/pdf/h31_01.pdf
この「主たる給与」が決まる事により、
「従たる給与」は、「主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与」という事になります。
そして、給与を支給する際には、この「主たる給与」と「従たる給与」の支給によって、源泉徴収する税額も異なります。
「主たる給与」を支払う場合の源泉徴収税額は、源泉徴収税額表の「甲欄」で求め、
「従たる給与」を支払う場合の源泉徴収税額は、源泉徴収税額表の「乙欄」で求めます。
この源泉徴収税額表の31年分は、下記国税庁URLに掲載されています。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2018/01.htm
なお、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している場合には、源泉徴収税額表の「乙欄」に記載されている源泉徴収税額から、下記の金額を控除した金額になります。
源泉徴収税額表の月額表を使う場合は、この「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など一人につき1,610円。
源泉徴収税額表の日額表を使う場合は、この「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など一人につき50円。
また、この「従たる給与についての扶養控除等申告書」とはどのようなものでしょうか。
これは、2か所以上の勤務先から給与の支払を受ける方で、
主たる給与の支払者から支給されるその年中の給与の金額(給与所得控除後の給与等の金額)が一定の金額の合計額に満たないと見込まれる方が、
主たる給与の支払者以外の給与の支払者のもとで、配偶者(特別)控除(源泉控除対象配偶者について控除を受けるものに限ります。)や扶養控除を受けるために提出するものです。
※この場合の源泉控除対象配偶者とは、一定の合計所得金額が900万円以下である方と生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受ける方等を除きます)で、1年間の所得見込額が85万円以下の方です。
そして、年末には年末調整が行われるのですが、注意が必要です。
それは、
「従たる給与については、年末調整ができない」
という事です。
そのため、その給与収入がある方が所定の期限までに確定申告をおこなって、所得税等の税金の精算を行う必要があります。
このように、2か所以上の勤務先から給与収入のある方の源泉徴収には留意が必要です。
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年末調整については、対象者の収入や家族構成、その年の法律などによって、計算が大きく異なることがあります。
そして、その計算を誤ってしまうと、修正をすることにより、多くの時間がかかったり、場合によっては、延滞税といった税金も追加で発生する場合があります。
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