平成31年10月1日より、消費税(地方消費税含む)の税率が8%から10%に上がります。
法令上の別段の定めがなければ、平成31年10月1日以降の取引からは、基本的に10%の消費税率が課税されますが、その際に疑問点も出てきます。
例えば、平成31年2月10日に工事の業務発注の契約をしたけれども、工事の完了が平成31年10月31日になる場合には、課税される消費税の税率は8%になるのでしょうか。
それとも、10%になるのでしょうか。
その日一日で取引が完了する場合と異なり、一定期間の業務を要する場合で、消費税の税率が変更となる時期の前後にまたがる場合には、消費税の税率を何パーセントにするのかが疑問になります。
そこで、以前も消費税率が3%から5%にアップする場合、5%から8%にアップする際にも規定されたような消費税の
「経過措置」
というものが設けられています。
この制度の概要は、
31年10月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れであっても、経過措置が適用される取引については、旧税率である8%の消費税率が適用されることとなります。
そして、この制度が適用されるものにはどのようなものがあるのかというと、
1、光熱費の支払い
継続供給契約に基づき、平成31年10月1日より前から継続して供給を受けている電気やガス・水道等で、平成31年10月1日から平成31年10月31日までの間に料金の支払を受ける権利が確定するもの
2、資産の貸付け
平成26年の指定日(平成25年10月1日)から平成31年の指定日(平成31年4月1日)の前日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、平成31年10月1日前から同日以後引き続き一定の貸付けを行っている場合における、31年10月1日以後に行うその資産の貸付け
3、一定の定期購読新聞
不特定多数の者に週または月その他の一定の期間を周期として定期的に発行される新聞で、発行者が指定する発売日が平成31年10月1日前であるもののうち、その譲渡が平成31年10月1日以後に行われるもの
※消費税の軽減税率の対象となるものを除きます。
などについては、経過措置の対象となるのです。
もちろん、上記以外にも経過措置の対象となるものはありますので、自社の取引のうち、経過措置の対象となるものがありそうな場合には、事前にご確認をされる事をおすすめしています。
なお、このご案内は、現行法律の内容を平易に分かりやすくお伝えしているため、概要等につき簡略的な説明となっている部分もありますので、実際の個々のご確認並びに計算にあたりましては、弊所では一切責任を負いませんので、詳細は、所轄の税務署等又は弊所までお問い合わせをお願い致します。